3.減価償却について
今回は固定資産の減価償却についてお話をします。
前回お伝えしたように、固定資産でも法人施設の基礎となる部分(施設が建っている土地や建物)は「基本財産」として表示し、それ以外の固定資産は「その他の固定資産」に表示します。
減価償却とは、それぞれの固定資産に定められた耐用年数(この年数も経過したら、価値がなくなるだろうという年数)で経費として計上し、固定資産の価値を下げていく処理です。
10万円以上であれば固定資産に計上しないといけませんので、その購入した時に全額経費とはなりません。逆に全額経費になってしまうと、固定資産を購入した期だけが大きく経費が発生してしまい、経費の均等化を損ねてしまいます。そのため、耐用年数の期間で経費を均等に計上しているのです。
償却していく方法はいくつかありますが、社会福祉法人では多くは定額法を採用しているのではないでしょうか?
定額法は、耐用年数内で毎期均等に償却費を計上していく方法です。
簡単な例を示すと、年度初めにパソコンを24万で購入しました。耐用年数は4年です。毎年の償却費は、24万÷4年=6万となります。
毎月起票する仕訳は、(借方)減価償却費 5,000/(貸方)器具及び備品 5,000 となります。
年度の途中で購入している場合は、期末までの月数のみ償却することになります。
ちなみに土地については、年月が経過するごとに価値が減少するものではありませんので、減価償却の対象となりません。(地価が下落して価値が下がることはあります)
ここで社会福祉法人特有の処理をお伝えします。
社会福祉法人は、国や地方公共団体等からの補助金を受けて、固定資産を購入することがあります。
例えば、300万円の補助金を受けて車両(仮で耐用年数5年)を購入したとします。(この説明では購入価額は無視します)
この補助金を、もらった期に全て収益で計上してしまうと、収益の均等化が損なわてしまいます。
ですので、補助金の収入も耐用年数の期間で均等に計上します。
毎月起票する仕訳は、(借方)国庫補助金等特別積立金 50,000/(貸方)国庫補助金等特別積立金取崩額 50,000 となります。
国庫補助金等特別積立金は純資産の科目で、国庫補助金等特別積立金取崩額は、事業活動計算書のサービス活動費用という箇所で、減価償却費の控除項目として計上します。(費用のマイナス表示なので、収益となります)
一般会計では出てこない言葉で、名称も長いので抵抗があるかもしれませんが、社福ならではの処理ですので、是非覚えて頂きたい内容です。
お伝えしているのは基本なので、細かい話をすると話が広がりすぎてしまいます。今回はこのあたりで終了しようと思います。
次回は、貸借対照表の科目名で一般会計と異なる部分をお話ししようと思います。
ありがとうございました。