6、大区分の事業費と事務費
前回は大区分の「人件費」について説明しましたが、今回は同じ大区分の「事業費」と「事務費」についてお話しします。
どちらも経費が発生した時に計上されることになりますが、なぜこの二つに分類されるかを説明します。
簡単に言いますと、事業費は収益が発生するものに関連する費用を計上することになっており、事務費はそれ以外の費用が計上されます。
では詳しく説明しましょう。
まず収益は、利用者の方々が介護サービスなどを受けることによって発生します。
つまりは利用者に関わってくる費用が事業費に計上されることとなります。
そのため、「事業費」の経費科目として、「給食費」(利用者に提供される食事の食材・食品など)、「介護用品費」(利用者が使用するおむつや、介護用のタオルなど)、「教養娯楽費」(利用者が読む新聞、娯楽のための用品、慰問の謝礼金など)のような科目があります。
もう一方の「事業費」はそれ以外の経費なので、利用者に関わっていない経費を適正な科目で計上します。
一般会計を勉強したことがある方でしたら、工業簿記の「製造原価」を思い浮かべて下さい。
製造原価の並びは在庫管理の要素もあり特殊ですが、要は売上に直接関わる経費を製造原価の科目で計上しておりますので、何となく似た部分はあるかと思います。
今それぞれの科目の内容説明は省略しますが、「事業費」「事務費」のどちらにも表示されている科目が複数あります。
今回一番お伝えしたい内容がここなんです。
「水道光熱費」「燃料費」「保険料」「賃借料」これらの4つの科目は「事業費」にも「事務費」にもありますが、原則、事業費にしか計上してはいけません。
そのため仕訳を入力する際に、勘定科目を検索して科目の文字だけで選択していたら、誤って事務費の科目を使用してしまうことがありますので十分注意して下さい。
残高試算表を集計して、事務費のこれらの科目に残高がありましたら、期中に科目選択を誤っておりますので、定期的に確認することをお勧めします。
実際当社でも、他の事務員に伝えてはあったのですが、頻繁に事務費の科目で仕訳を入力しておりました。
これらの科目を使用する時は、事業費の計上、と意識できるようにして下さい。
次回は事業費の科目について説明します。
何をどの科目に計上すればいいか、当社の例を示してお伝えしようと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。