社会福祉法人会計(老人福祉施設)簿記の基本11 事務費の科目について2

社会福祉法人会計(老人福祉施設)簿記の基本11 事務費の科目について2

2020年1月25日
社会福祉法人会計 簿記

8-2 事務費の科目について

久しぶりの投稿となってしまいましたが、今回は事務費の科目の続きを説明していきます。

 

事務費の科目は非常に多いので、3回ほどに分けてお話ししていきます。

 

 

通信運搬費

通信・運搬に要する費用を計上します。

 

例:電話代、FAX代、切手代、葉書代、弔電代、インターネット接続料など

 

これは一般会計にもある「通信費」と同じような内容なので、そこまで抵抗はないと思います。

 

ただうちの会社は事業所が多いので、電話回線も多いです。

 

各事業所には通帳はありますが、それぞれの通帳からの引き落としではなく、ある通帳から電話料金の総額が引き落としとなります。

 

そのため、それぞれの事業所で経費計上しないといけないことから、引き落としされる通帳に費用計上分の金額を資金移動する必要があります。

 

資金移動する側の仕訳  通信運搬費/普通預金 ✖✖✖

 

資金移動される側の仕訳も上記と同じです。(もちろん金額は違います)

 

支払している金額から、他の事業所からの資金移動金額を引けば、その事業者が負担すべき金額が費用計上されるわけです。

 

つまり引き落としされる日に資金移動さえしっかりと行えば、それぞれの事業所で起こす仕訳は、負担すべき金額でそのまま計上すればいいのです。

 

伝わっているでしょうか?(;´д`)

 

もし明細にそれぞれの電話番号ごとにかかった電話料金の記載があれば、その金額を費用計上・資金移動すればいいですが、それが不明確であれば職員数や収益割合などで按分することになりますのでご注意ください。

 

 

会議費

会議の時のお茶菓子、飲食代などの費用を計上します。

 

例:会議、理事会・評議員会等の食事代、お茶菓子代

 

 

広報費

会社の広告料やパンフレットの作成費用などを計上します。

 

例:電話帳や新聞の広告、運動会や祭り等の広告費・協賛金(社名が載る場合に限る)、ホームページの作成費用

 

私の以前の失敗例を1つ紹介します。

 

前に会社のホームページを作成しましたが、その時の判断は「ホームページの作成を外部の会社に委託した」ということから「業務委託費」にしてしまいました。

 

ある本を読んだら、ホームページの作成費用は広報費になっていました。

 

なかなかホームページの作成費用は発生しませんが、私のような誤りをしないようにしましょう。

 

 

業務委託費

会社の業務の一部を他に委託するための費用で、保守料に該当する者を除きます。

 

例:施設内の清掃業務の委託料、休職の調理・加工の委託料(但し給食材料費は除く)、利用者の私物洗濯の委託料、ごみ収集の委託料、会計事務所・法律事務所に支払う顧問料など

 

業務委託費については、委託する業務の種類が多く、全て同じ科目内にあると、毎月発生しているかの確認や総額の把握などしづらいため、中区分の「業務委託費」科目を小区分に分けて、業務ごとに設定しております。

 

そのため、給食の委託費、洗濯の委託費などそれぞれの委託料をすぐに把握することができます。

 

ただし、毎月発生する費用は小区分に設けたらいいですが、突発的に発生する委託費については「その他」を小区分に設けて、その科目を使用するようにしております。

 

 

手数料

役務提供にかかる費用のうち、業務委託費以外の費用を計上します。

 

例:振込手数料、利用者の利用料金を引き落としする際の手数料、残高証明発行手数料、ビジネスIB利用料など

 

当社ではほとんど銀行に支払う手数料の計上となっておりますが、請求書の中に「~手数料」と記載があったときは、言葉通りに即「手数料」科目に計上せず、内容を考慮して他の科目に該当しないかの検討をするようにしましょう。

 

 

保険料

事務費の保険料科目は基本的には使用しません。

 

事業費の保険料科目の説明を参照して下さい。

 

 

今回はこのくらいにしておきます。

 

あと1回で事務費科目説明は終了します。

 

残り8科目です。

 

次回もよろしくお願い致します。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。