9-1.決算を意識した日常業務(事業未収金)
かなり久しぶりの投稿となりましたことをお詫び申し上げます。
今回は決算を意識した日常業務と題して、普段の会計処理に加えて、決算の時に多忙になりすぎないように行うべき作業をお伝えしようと思います。
これを意識して、毎月のルーティンとすれば決算時の残業が減ると思いますよ(笑)
そうは言っても、自分の会社ではゴールデンウイークはなしの毎日出勤となりますが、以前よりかはゆとりを持って決算業務を行えるようになりました。
普段から何をしておけばいいかを順番に説明していきます。
今回は事業未収金です。
1.未収金の管理
以前説明しましたが、未収金には「国保連事業未収金」「利用料事業未収金」「その他の事業未収金」に分けられます。
簡単に言うと、
「国保連事業未収金」・・・保険請求後、国保連より入金がある未収金。請求月の2か月後の25日に入金がある。
例:令和2年3月に行った保険請求(令和2年2月分)は令和2年5月に入金がある。
「利用料事業未収金」・・・利用者が負担すべき介護保険の1~3割負担分、利用者の食事代、居住費、おむつ代など、利用者から直接領収する金額。
「その他の事業未収金」・・・市からの認定調査料など。
国保連からの入金については、上記の通り2か月遅れの入金となり、請求した金額がそのまま入金されるとは限りません。
返戻、保留、過誤などで入金月がずれてしまうことが多々あります。
請求額と入金額に差異があった時は、利用者の誰の保険請求分なのか、何月分の保険請求なのか、なぜ差異があるのか、などを調べて把握しておくことが必要です。
特に過誤はやっかいです。
過誤ついては1度請求した金額の入金はありますが、後日過誤請求をすることで、当初の請求金額と異なってきます。
請求額が1度入金されることから未収金は解消されますが、過誤請求後の入金は、1度入ってきた金額が引かれて入金されます。
そして更にその次の月に訂正した金額を含んだ金額で入金があるので、訂正後の金額に修正する仕訳を入力し、本来の正しい金額にしなければいけません。
完全に解消するまでの期間が数か月かかってしまうのもかなり面倒です。
普段の入金処理を特に何も考えずに、国保連からの入金で「国保連事業未収金」を減らしているだけでは、いざ決算の時に合わせようとしても、遡って調べるのは時間がかかります。
もしかしたら、そのまま入金処理をしているだけでも、最終的には合ってくることもあるかもしれません。
しかし、過誤の場合は決算月をまたいでしまうと、誤った請求金額のまま決算を終えることになるので、翌期に収益の金額訂正をしたくてもできません。
過年度過剰計上分訂正仕訳、のような処理が必要になってきます。
毎月入金がある度に、残高の内訳把握をしっかりと行い管理することが重要となってきます。
次に「利用料事業未収金」です。
この入金については法人によって異なるのでしょうか。
当社のやり方でお話をしていきます。
こちらは保険請求をしたその月末に利用者様の口座から引き落としされます。
例:令和2年3月に行った請求は、その月の月末に引き落としとなる。
ただ、全員引き落としではなく、現金入金の方もいらっしゃいます。
そのため、計上した「利用料事業未収金」の金額が引き落とし金額と一致しません。
さらに、残高不足や預金口座停止など複数の理由で引き落としにならないこともあります。
現金入金の方でも入金が遅れる方もいらっしゃいます。
管理のやり方としては、請求金額=引き落とし金額+現金入金額+まだ支払いがない金額 となりますので、こちらもどの利用者の何月分が「利用料事業未収金」の残高に残っているかを把握する必要があります。
引き落としにて利用料の入金があり、一気に未収金の残高が減った時に、その時の残高の内訳を調べるのです。
残念なことに、数か月前の請求がずっと延滞したままで、未収金に残っているという利用者様もおります。
当然入金をしてもらわないといけないので、支払を督促するための管理にもなりますので、残高の内訳把握の重要性は高いです。
普段から行っていて損はありませんので、ルーティンとしましょう。
「その他の事業未収金」は市の認定調査料を計上しており、こちらは請求額がそのまま入ってきますので、特別な管理は不要かと思います。
私は一応、請求額と入金額は一致しているのか、ということは見るようにしています。
いかがでしたか?
決算時はただでさえ多忙なのに、その時に1から未収金の内訳を把握するのはかなり時間を要します。
決算時に少しでも楽ができるように、普段この作業の時間を設けて取り組んで頂ければと思います。
次回は、固定資産に関する作業についてお話しします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。