7-1、事業費の科目について
皆様、こんばんは。
前回は大区分の「事業費」と「事務費」についてお話ししました。
復習ですが、「事業費」にも「事務費」にもある科目で「水道光熱費」「燃料費」「保険料」「賃借料」については事業費の科目だけを使用する点はしっかりと押さえて頂きたいと思います。
さて、今回は「事業費」の科目で、一体どういったものがどの科目に計上されるのかを具体的に説明していきます。
当社で実際処理している内容を例として挙げていきますね。
使用していない科目については割愛させて頂きますm(__)m
「給食費」
利用者に提供する食事の食材や食品について計上します。
尚、食事を作っている人が自社社員であれば、その人達に人件費として「職員給料」が支払われ、外部に委託している場合は、委託業者に支払われている金額を「業務委託費」(事務費)に計上します。
例:食材、食品、おやつ代など
令和2年8月13日追記
近年の異常気象により自然災害が多く発生しております。
自然災害の報道を目にする機会が多くなり、その対策として災害用備蓄品を購入した施設もあるのではないでしょうか。
例えば災害備蓄品で保存食を購入したとします。
その時にどの科目にするか悩みませんか?
今回この「給食費」で説明しておりますが、この科目にすべきではないということを伝えたくてここに記載しました。
なぜ「給食費」ではないのでしょうか?
食べる物=「給食費」にしたくはなります。
しかし、まず事業費に属している「給食費」は、利用者がサービス利用時にとる食事に要した費用を計上します。
保存食はいつ誰が食べるものかわからないですよね。
もしかしたら食べずに廃棄となる可能性もあります。
更に、事業費については収入に対して直接要した費用なので、一般会計で言う売上原価と考えた方が適当だと思います。
そのため収入に直接関わっていない保存食(恐らくそれなりの量をまとめて購入するため多額となってしまう)がこの科目に入ってしまうと、収入で計上する食費収益と費用で発生する給食費の対応がおかしくなってしまいます。
利用者が食べるとは限らない時点で、事業費の科目は使用しません。
となると事務費の中で適している科目は「事務消耗品費」、もしくは突発的な支出であるため「雑費」でもいいかもしれませんね。
どちらでも構いませんが、別の機会に再度保存食を購入した時は必ず同じ科目を使用するようにしましょう。
「介護用品費」
利用者の処遇に使用する介護用品の費用を計上します。
例:おむつ、入浴時に使用するバスタオル、身体を拭く時に使用するタオル、食事の時に使用するおしぼり、ビニール手袋など
「医薬品費」
利用者のための医療に関する経費を計上します。
例:医薬品、絆創膏、包帯、ガーゼ、酸素など
「保健衛生費」
施設内の消毒に関する費用を計上します。
例:キッチンハイター、ワイドハイター、手の消毒液など
令和2年8月13日追記
最近再度新型コロナウイルスの感染者数が全国で急増しております。
介護施設でも感染侵入を防ごうと様々な対策を行っております。
その中で、感染防止用の目的で購入した物はほとんどこの「保健衛生費」の科目を使用しております。
本来該当すべき科目はあるかもしれませんが、購入目的がコロナ対策ということで、コロナ対策のためにどれだけの費用を支出したかを後に調べる時にわかりやすいため、この科目に費用を集めております。
ただし大規模な環境整備などは別です。物の購入だけです。
例の追加:手指消毒用アルコール液、飛沫感染防止用アクリル板、かんたんマイペット(新型コロナに界面活性剤が有効と発表され、消毒にしようするため)、職員に所持させるためのアルコール消毒入れのミニボトル(容量30ml)、そのアルコールをミニボトルに移し替えるためのスポイドなど。
例を挙げるときりがありませんが、使用目的がコロナ以外だったら「事務消耗品費」になるものもあるかと思います。
今の時期だけの特別な処理としてお伝えしておきます。
「被服費」
利用者の衣類、寝具に関する費用を計上します。
例:寝具リース代、防水シーツリース代、クリーニング代、利用者の衣服、寝具購入代など
「教養娯楽費」
利用者のための新聞購入費、娯楽のための用品代、費用を計上します。
例:法話のお布施、慰問の謝礼金、納涼祭に要した費用、新聞代、レクリエーションで使用するものの購入費など
「日用品費」
利用者が身の回りで使用する日用品に関する費用を計上します。
例:トイレットペーパー、ティッシュペーパー、タオル小判、業務用洗剤、シャンプー、リンス、ボディーソープ、利用者用の化粧品など
どうでしたか?
物の例を挙げたらキリがありませんので、主なものだけを記載しました。
どの科目にするかは、その費用は誰の、何のための費用かを考えて、最も適している科目に計上すればいいのです。
同じ物を購入していても、用途が異なれば別の科目になることがありますので、しっかりと検討して頂ければと思います。
今回は「事業費」の中から7つの科目の紹介をしました。
次回は同じ「事業費」の科目で、残りの8科目について説明しようと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。