消費者金融の昔と今

2018年11月19日

消費者金融って?

基本的には個人を相手に、無保証・無担保でお金を融資してくれる金融業です。サラリーマン金融、略してサラ金って言い方もしますね。私が勤めていた時には、たくさんの細かい借入を抱えてしまっている人に対して、一本化といって大型ローンで融資を行い、借入をまとめることを勧めたりしていました。ですので、不動産担保融資や保証人を付ける融資もあります。

私が勤めることになった理由

自分の話を少しさせて頂きますね。

私は専門学校に通っていたのですが、卒業の学年に就職活動を全くしていなくて、卒業後引き続き勉強をするために半年ほど通っていました。

半年間の勉強後は就職活動をしないといけないのですが、新卒ではなく中途採用になってしまうわけです。特別アピールできる強みもなく、なかなか採用には至りませんでした。

そんな中、消費者金融の会社に面接に行ったのですが、たまたま会社のお偉いさんがその店舗に来ていて、則採用のお言葉を頂けたのです。

どこを受けても採用されなかったのに、則採用と言われた時は本当に嬉しかったんですよね。この会社で頑張ろう!って気持ちになれました。でも正直、怖い人ばかりいるのかと思い、本当に大丈夫なんだろうかという不安もありました。でも普通の優しい人ばかりでした。

当時と今の金利 グレーゾーンについて

当時というのは今から約17年前で、出資法という法律がありました。この法律の上限金利は29.2%と、今では考えられない高金利だったのです。貸金業者はこの出資法の金利の適用が認められていました。ちなみに現在は20%が上限となっております。

そして出資法とは別に利息制限法という法律も存在しており、上限金利は20%です。この20%~29.2%の間の部分の金利をグレーゾーンと呼んでいるのです。そして最終的には上限金利は20%となったため、20%を超えて支払った利息の金額は元金(借りている金額)に充当されることになりました。

例(金利の金額は適当です)
元金 利息 金利差額 元金充当額 最終元金
出資法 100,000 9,000 3,000 3,000 97,000
利息制限法 100,000 6,000 100,000
利息制限法と比べて、出資法では多く利息を払っています。その多く払っている金額が、元金に充当され、元金が減ります。

倒産する会社が多数

上記の通り、今まで利息として支払っていたお金が元金に充当されることになりました。取引が長ければ長いほど、利息を払っている金額は高くなります。すると利息の金額を元金に充当し、充当しきって元金がなくなってしまったら、今度はお客様にお金を返さないといけなくなるという事態が生じました。貸している側が借りているお客様にお金を戻すことになるなんて思いもしなかったことですよね。

今まで頂いていた金利で経営が成り立っていたのに、利息を生み出す元金が大幅に減少し、当然利息収入(普通の会社でいう売上)も大幅に減少。会社がお金を貸すためにどこかから借りていたのであれば、その金利の支払いも厳しくなるでしょう。そのため、今では数社の消費者金融以外の会社は全て倒産してしまいました。

実際私が勤めていた会社も、しばらくは本店と数店舗残っていましたが、それが本店のみとなりその数年後には本店もなくなりホームページもなくなっていました。なんか寂しい気持ちになりましたね。

当時の延滞者に対する管理・督促

ドラマや一部の悪質な業者による取立により、世間の消費者金融へのイメージはものすごく悪くなってしまいました。でも私が勤めていた会社はすごく普通の会社だったと思います。大声で怒鳴ったり、脅し文句を言ったりはなかったですね。

でも支払いが滞っている人に対しては、支払いをしてもらわないといけないので当然督促は行います。

まずは電話連絡(携帯→自宅→会社の順番)を行い、約束ができれば先方の期日まで待ちますので、督促は一旦ストップします。連絡つかなければ督促状を自宅へ発送されます。はがき状のもので、表面的には消費者金融からの督促状とはわかりません。でも債務者の名前で送っているのに、家族が勝手に開いたりして借入が家族に知られてしまい、クレームとかもありました。遅れているのに、支払いも連絡もないことが悪いんですけどね。

しばらく電話連絡を行い、それでも全く話ができない人に対しては、自宅に連絡してほしい旨の電報を送ります。送付者の名前は社名ではなく個人名にしていました。社名だとすぐに家族に知られてしまうので、そのあたりは配慮します。

ついに集金

電話もダメ、督促状もダメ、電報もダメ。延滞慣れしている人はこんなもんでは動揺すらしません(笑)ここまでしても話すらできなかった場合は、ついに訪問となります。いわゆる集金ですね。電話もそうですが、訪問も時間が決まっており、朝の8時から夜の9時までと決まっております。なので訪問して会える可能性が高い時間帯、それは日曜の朝8時、もしくは平日の夜9時少し前にを狙って訪問します。さすがに日曜の夜までは行っていませんでした。

ただ、さすが歴戦の猛者の債務者!こちらの督促業務の時間を知っているのか、家にいないんですよ。もしくは電気が付いているのに呼んでも出てこないとか。居留守が一番腹が立ちます。話ができれば少しでも入金してもらえるかもしれないのに、人がいるのに交渉すらできないなんて。

ちなみに留守でもただでは帰りません。郵便物の溜まり具合や電気メーターの動く速度、外から見て生活感があるかどうか、などの情報は報告します。

たくさんの訪問を行っていると予期せぬ事が起こります。そのいくつかを紹介しましょう。

  1. 夜逃げ 本人の自宅に行っても全く会えないので、自営のお店に行ってみました。そしたら郵便物が床に散乱しているのが外からも見えて、入り口のドアには他の債権者がしたものでしょう、「金払え」などと紙が貼ってありました。自営がうまくいかないから収入が少なくなり、支払いが滞ったことがすぐにわかります。さすがに初めての時はびっくりしましたね。その人については、しばらくしてから弁護士から自己破産の手続きの通知書が届きました。
  2. 暴力 集金に訪問したら債務者が普通に家にいました。玄関で今後の支払いの話をしていたのですが、「ないもんはないから払えん!」と怒り出して私を蹴ってきたんです。いやー、怖かったですね。元々私は、消費者金融業は向いていないと上司から言われるほど温厚な性格なので、正直びびってしまい、謝罪してすぐに帰ってしまいました。今思えば、結構危ない仕事だったのかもしれませんね。
  3. 鉢合わせ ある延滞者の家に訪問したら、すでに1台の車が停まっていました。私は少し離れた場所に車を停めてその家に歩いて向かいました。すると家からスーツ姿の男性が出てきてばったり会ったのは、同じ消費者金融で働いていた友達だったのです。さすがにお互いびっくりしましたね。話を聞くと、借入をしている本人は不在で、父親と話をしたが代払いはしてもらえなかったとのことでした。私もせっかく来たので、父親と話をしてみましたが、同じく代払いはしてもらえませんでした。